ピアノフレーム サーフェーサー処理-2 ピアノが語ってくれたもの-その14
公開日:
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最終更新日:2019/08/15
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ピアノが語ってくれたもの-その14
インハーモニシティー
Q.それでは、次に、弦設計(メンズレーション)についてお願いします。
A. はい。その前にインハーモニシティーについて説明しましょう。現代のピアノの音は他の楽器の音と根本的に違う部分があります。それはピアノの弦振動から出る音がインハーモニシティー(弦の不協和性)を持っていることです。これは、「ポーン」と鳴ったピアノの音には第1部分音(基音)の他に俗に「倍音」と呼ばれる多くの部分音を含んでいます。この部分音が理論値より少しずつ高くずれる不協和性を持っていると言うことです。
Q.全てのピアノでしょうか?
A. 鋼鉄の弦を使用し鉄製鋳物ピアノフレームの使用で全体のテンションが18トン以上にもなる現代のピアノは、全てインハーモニシティーを持っています。理由は発音体の弦が鋼鉄製で堅いこと、弦長のわりに太いため弦振動の節の部分がフレキシブルに曲がらないことです。実際の振動部分の長さが理論値より短くなります。他の弦楽器、例えばヴァイオリンやチェンバロ、ギター等ではほとんど起こらない現象なのです。また、同じピアノ内でも弦の短い高音部の方がインハーモニシティーは高くなります。最高音のドの音はメーカーによって違いますが、だいたい14~20セント(1セントは半音の100分の1)になります。結果として、ピアノの最高音は理論値より半音の5分の1以上高くないとピアノの響きは人の耳にきれいに聞こえないわけです。
Q.そのインハーモニシティーがピアノにどのような変化をもたらしたのでしょうか?
A.簡単に言うと、調律カーブの発生と平均律音階の5度の響きの透明感を生み出し平均律音階の普及に貢献したと考えます。また、これからが楽器の個性につながるのですが、先ほどの最高音の幅のように各メーカーによって若干のひらきがあります。つまり、使用にたえうる範囲の中で、弦の太さや長さを弦設計によって変化させることにより、ピアノのキャラクターを決めています。
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