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ピアノが語ってくれたものシリーズ ピアノの響板特性とハーモニー調律 (前編)

ピアノが語ってくれたものシリーズ       
ピアノの響板特性とハーモニー調律(前編)

その1 f0(エフゼロ)とピアノ響板特性
117338563_1709652192521885_2635588886076572388_of0(エフゼロ;第0フォルマント)とは、その物体が持つ最低共振周波数で単位はHzです。
ですから、楽器を含め、形あるものはすべてに存在します。

例えばヴァイオリンやチェロの場合、f0によって起こるとされる
「ヴォルフトーン」と呼ぶ現象は有名です。
(ヴォルフトーンとは演奏音と楽器の胴体の共振周波数が一致した時に発生する、原音の周波数を増幅/拡大した、持続し共鳴する人工的な倍音である。周期的な唸りを伴う事が多く、それが動物の狼の吠え声に例えられた事からこう呼ばれる。Wikipedia)

ピアノにも表れます。
ピアノの場合、f0(その物体が発生することのできる最も低い音)を出す部分は響板です。
という事は響板の厚みや形状、材質により多少の違いがあってもf0周波数はより大型ピアノのほうが低いことになります。
ところで、ピアノはコンサートモデルでさえ最低音から十数鍵は、実際には第1部分音(基音)が出ていないそうです。
1A (A0)のKey音、周波数27.5Hzを物理的に出そうとすると6mくらいの奥行のピアノになると聞いたことがあります。
一般的な現代のピアノが持つf0周波数はコンサートグランドピアノで50Hz前後、小型グランドは100Hz前後だそうです。
100Hzといえばピッチ442Hzだと低音から23G(G2)あたりのKey音になりますでしょうか。
それが響板インハーモニシティー(響板特性)と呼ばれる現象を起こし、ピアノトーンの部分音構成にも作用し、ピアノ調律作業にいかに影響を与えるかについて考えていきたいと思います。
また、可能ならピアノの魅力や個性に関する感想も付け加えていきたいと思います。

その2 低音域の謎 響板インハーモニシティー 
16386957_753978281422619_2388862179635807674_nf0周波数に近いKey音の特徴
f0周波数に近いKey音の特徴は、弦振動における部分音構成の中で、弦インハーモニシティーの影響が
「特に第一部分音(基音)において少なくなる」ことです。
理由は響板f0周波数と弦振動周波数が仮に同期(一緒に振動)した場合、駒やアグラフ位置での弦の屈折があまり発生しないからだそうです。
つまり、弦両端(特に駒側)がほとんど曲がらない状態で音が出ているという事になります。
現象として第1部分音が顕著に数セント下がり、ベビーグランドに至っては何と10セントも低く出るデータもあるそうです。
高次部分音はそれほど影響なく第1部分音だけが下がる音、言い換えれば、第1部分音を基準にすると高次部分音が高くなる傾向にあるKeyの存在とは、現実にはどういう現象でしょうか?

その3 ヤマハU3タイプ
例えば、ヤマハアップライトピアノU3タイプを例にとって解説していきましょう。
U3タイプの響板f0は23Gと24G#あたりと思われます。
皆さん調律作業中に割り振りが終わり、低音側にoctaveで下がっていき交差巻線部に入って3音目の24G#に差し掛かったところでオクターブを合わせると高次部分音が合わず、高次部分音を合わせるとoctaveがしっくり来なくなる現象を経験されていることと思います。
そして24G#・23Gを過ぎて22F#からまたしっくりとくる感じになるご経験があったはずです。
この場合、24G#23GがU3タイプのf0に近いKeyで起こる響板特性(インハーモニシティー)の成せる業なのです。

その4 f0に近いKeyの発見方法
f0に同期したKey音は立ち上がりがゆっくりで、他のKey音と比較すると
ちょっと『うつろ』な音像が多く、遅れてブオンと響板ボディーが震える感じです。
グランドピアノなら前かまちか腕木に、アップライトなら親板か腕木に手で触れながら低音部をフォルテで弾き振動でビリビリするKeyがあることで推測できます。

響板振動もそれほど単純ではないでしょうし、低音弦が多くの部分音を有することで、強く部分音の影響が出ている場合もあります。
つまり、影武者が現れる場合も多々あります。
また、U3タイプのように2音間にまたがるものや、複数Keyに飛び飛びで現れる場合もありますのでご注意ください。それでもデータが蓄積出来るとだいたいの察しは付くだろうと思いました。

その5 f0測定データ収集
IMG_0951データ収集にあたりテーマを決めました。
1 同機種でも経年変化、木材の乾燥度合いによってどの程度変化があるのか?
2 同機種でも外装木材・艶消し艶出し、塗装によってどの程度影響があるのか?
3 同サイズで響板形状(シリンダー状・球面状)によってどの程度違いがあるのか?
4 メーカーの違いとサイズの微量な違いはどちらが影響大なのか?
5 1つのKey音の場合と2音以上に分散した場合どちらが魅力的なのか?
6 白鍵が多いのか?黒鍵が多いのか?
7 側板も響板材で製作するウィーン式モデルは特に違いがあるのか?

その6 測定結果表
黒鍵は便宜上すべて#表記にします。
グランドピアノ ピッチ442Hz
thumbnail_2020-08-27 08-32
thumbnail_2020-08-27 08-33外装表面塗料
ポリエステル;PE ポリウレタン:PU オープンポア;OP シェラックニス;SH ラッカー;LP   
鍵盤クラウン形状 
シリンダー状(山脈型);S 球面状(富士山型);B

その7 測定結果からの所見
RIMG0652あくまでも個人的な感覚なので参考程度にお考え下さると幸いです。

1 同機種でも経年変化、木材の乾燥度合いによってどの程度変化があるのか?
4台のスタインウェイB-211 GPNo.10~13と3台のヤマハC3タイプNo.33~35で検証出来ました。
共に球面状クラウン響板ですが、経年変化でf0は変化しないようです。
シリンダー状は個体差の方が激しく検証できませんでした。

2 同機種でも外装木材・艶消し艶出し、塗装剤によってどの程度影響があるのか?
データ不足ですが、オープンポア塗装が少し低いようでした。
ポリエステル系はほとんど変わらないことは分かりました。

3 同サイズで響板形状(シリンダー状・球面状)によってどの程度違いがあるのか?
No.15~16ブリュートナー・ペトロフNo.22~25グロトリアン・ベーゼンドルファー・ベヒシュタインで検証出来ました。シリンダー状より球面状のほうがコンサートモデルを除きf0は低い傾向にありました。
グロトリアンの響板形状は球面状だと思っていましたが、データによるとシリンダー状であると推察出来ました。

4 メーカーの違いとサイズの微量な違いはどちらが影響大なのか?
メーカーの違いによる響板形状や比重等の違いのほうが大きいようで、データ不足で検証できませんでした。

5 1つのKey音の場合と2音以上に分散した場合どちらが魅力的なのか?
結果はどちらともいえませんでした。
個性は長所にもあり短所にもなるし、魅力も人それぞれ。
テーマを間違えました。
メーカーも苦労しているところなのだろうと感じました。

6 白鍵が多いのか?黒鍵が多いのか?
超小型GP 白鍵が多い
160㎝前後 黒鍵が多い
170㎝前後 白鍵が多い
180㎝前後 黒鍵が多い
190㎝前後 白鍵が多い
210㎝前後 黒鍵が多い
220㎝以上 どちらとも言えない 

7 側板も響板材で製作するウィーン式モデルは特に違いがあるのか?
データ不足でした。響板形状からの影響もあるのでしょう。高く出る傾向が見受けられました。

その8 総合評価
DSCN0229アップライトは想像より健闘していてU3タイプでC3とほぼ同様の『響板f0』を計測出来ました。
響板面積が翼型より長方形がより広く取れる事が理由の一つでしょう。

響板形状については明らかに球面式のほうがシリンダー式より低いデータが出ました。
理由の一つに響板の厚さがあるのでしょう。
また、シリンダー式の場合、駒に並行して助響板(除響板)やカットオフバー等が取り付けてある場合が少なからずあり、一次振動面積をあえて狭くして(『響板f0』を上げて)でも響板角で起こる乱反射振動を減少させ音の透明感を優先したのだと思われます。

『響板f0』が低いことは長所理由の一つには成り得ますが、全体のバランスや影武者の存在、f1~f32までをどこにどの程度出ているかで楽器の個性や魅力にもつながるでしょうし、長短は容易に判断できないと感じました。

そして、その個体に適正の合う楽曲や調性が多少なりともあるのかもとも感じました。
例えばF.ショパンはCis mollを多く作曲していますが、彼が主に使用していた当時のピアノのサイズとピッチによる『響板f0』が、たまたま17C#にあって、その特性からくる他の調とは違う独特なハーモニー感に多くのインスピレーションを受けていたのではないかなどと妄想?できますね。

参考;計測データによる 17C#に『響板f0』があったピアノ(影武者も含む)
ベヒシュタイン C-232
スタンウェイ B-211
ベヒシュタイン B-208
グロトリアン 208
ベヒシュタイン M-180

参考;計測データによる 4度上の22F#に『響板f0』があったピアノ(影武者も含む)
ベーゼンドルファー 225
NYスタンウェイ B-211
プレイエル No.3 203
ベヒシュタイン V-200
イバッハ 180
ベヒシュタイン M-180
ホフマン T177
ペトロフ P-Ⅳ 173

参考;計測データによる 5度上の24G#に『響板f0』があったピアノ(影武者も含む)
ベヒシュタイン M-180
ベヒシュタイン L-165
プレイエル F-164
ホフマン T161
ベヒシュタインA160
スタンウェイ K-132
ヤマハ U3

テーマは少しそれますが、計測する中で、球面式は全体にパワーがある事、シリンダー式は透明感と立ち上がりの速さがそれぞれの魅力だとも感じました。
ピアノのサイズ変更や、響板にかかわるような構造的モデルチェンジを行なってこなかった一部メーカーもありますが、度々行なってきたメーカーをより詳しく調べていけば色々と当時の事情が推考できるかもですね。
是非、興味がある方は調べてみてください。

その9 ピアノのルーツ
9b28ffc5

 ピアノの歴史、ルーツを探ると、南ドイツウィーン派とイギリスフランス派に分かれることはご周知の事と思います。
 使われていた地域、言語の違いもあるでしょう。
 それらは知れば知る程、求めているタッチ感やボディー構造にも大きく影響を与えています。
 クラヴィコードとチェンバロのどちらの影響を強く受けているのかを実感出来ます。

 また、創業者のタイプにも少なからず影響されていると思います。
多くは家具職人でしたが、オルガンやチェンバロ制作者、音楽家、楽器店主の場合もありました。
彼らがどこで育ち学んだかによって、そのDNAが明らかに残っているとピアノから感じることが多々あります。

 天性の耳を頼りに多くの人やピアノから学び実直に作り上げていったメーカーや、文化を重んじ試行錯誤の中で職人が執念で徐々に進化し伝統のピアノトーンを仕上げていったメーカーもあります。
新天地で既成概念を取り払い、天才科学者の助言を取り入れて物理学的アプローチによる試行錯誤で仕上げていったメーカーもあります。
 そしてそれを出発点にして、それぞれのコンサート現場で演奏者や観衆の要望や協力によって一体となって育まれたのだと思います。
カーレースF1のような感じだったのでしょうね。
 ピアノの場合、レギュレーションはなかったと思いますが、コンサートやリサイタルで使用され続けてきたメーカーは耐久力やアクション性能も向上し、それぞれの個性的な魅力がより洗練され、お互い競い合って今日まで来たのだと思います。

 由来するボディーの部材・構造の違い、弦設計や響板部分音特性の違い、アクションやハンマー特性の違い、そして調律師の技量等が関与してくると、ピアニストの個性、ホールの響き、観衆と相まって可能性はミクロの無限に進んで行った事でしょう。

その10 響板製作とAIの進化
 さて、バイロイトの古参ピアノメーカー Steingraeber&Sohne(シュタイングレーバー&ゼーネ)が響板制作過程で細かい砂状の粒子を響板上面にばら撒いて駒に振動を与え、振動数により粒子が移動する様子、描く形状変化を確認しながら、何度も響板の仕上げを職人がカンナ修正するのは有名な話ですね。
 ピアノの心臓部、響板だからこそ、大切な素材の個体差を確認しながらの作業と言えます。それ故に昔ながらの丁寧な方法をあえて残しているのでしょう。

 イタリアの新鋭メーカー Fazioli(ファツィオリ)の響板高音部は2層~3層にして、あえて木目の方向をクロスさせ音響特性を変えています。
匠による一連の作業は時間と手間を要し、工作機械を利用した手合わせ作りのメーカーだからこそ出来る事だと思います。

 また、近年の大手メーカー設計室ではAIを駆使して『響板f0』研究も進んでいる事でしょう。
昨年浜松で開催された国際ピアノ製造技師調律師協会の国際会議でヤマハさんの講演中、『響板特性が全くない音』を高性能スピーカーで聴かせてくださいました。コンピューターの進化と研究者の方々の執念のなせる業なのでしょうね。

 実在のピアノには一部のKeyに響板特性が多かれ少なかれ作用するわけですから、本来はありえない『ヴァーチャル音』との説明がありました。
 正直、私には楽曲ではそれほどの違いを確認、判断できませんでした。ただ、「素直に整った音だなぁ~。」とは思いました。

 現実にはピアノは形あるものですから、『響板f0』は必ず存在し、影響して来るでしょう。
ピアノ設計をどのような理念や価値観で材質や形状を選択し、『響板f0』をどこまでどの様にコントロールしていくのかは製作者の醍醐味であり、メーカーの個性や魅力にもつながっていくのかもしれません。

 近年、コンピューターの進化は将棋や囲碁の世界では名人を超えだしたようです。
ピアノにおいてもすでにヴァーチャル設計段階では人知を超えているのかもしれません。
シミュレーション試行期間の短縮や常識外発想の試験も比較的簡単に出来るようになったと思います。
 ただ、ピアノは部品の多くが唯一無二の自然素材で作られます。
それ故、いままで超一流と言われてきたピアノ作りは匠の現物合わせの技が『頼みの綱』でした。
NC工作機械などの出現も見られますが、部材それぞれの個体差を肌で感じる匠の技は今のところ持ち合わせていません。

 接着剤も含めて新素材を発明もしくは発見してピアノの部材を根本から見直すのか?
 究極の匠の技を機械が身に付けるのか?
 これらの課題がクリア―されたならば次世代のピアノが出現するのかもしれませんね。

その11 ユニゾン合わせで微妙に下がる音
 thumbnail_IMG_0111
 さてそれでは、『響板f0』がピアノ調律作業の中でどのように影響を与えるか考えたいと思います。
割り振り後にロングミュートを外しながらユニゾンを合わせていると・・・
 『微妙に下がる音』ってありませんか?
前述したU3タイプを例に挙げるならば黒鍵の36G#・43D#でしょうか。
弾く強さにもよりますが、ユニゾンを合わせると0.5~0.8セントくらい下がる感じがします。
 実は35G・42Dも下がっているのですが、これはなかなか気が付きにくい。
 なぜなら、私の時代は割り振りの最初の4度37A~42Dを1.1回/秒などと机上の理論で教えていた時代でしたから、42Dが微妙に下がって案外都合良くつじつまが合ったのが理由の一つなのかもしれません。

 それはさておき、なぜ下がるのか?これも『響板f0』の成せる業なのです。
 響板振動は弦振動ほど単純ではないのとのことですが、やはり8度上5度4度3度(ド・ド・ソ・ド・ミ)と純正律に響くところが点在していく事が多いそうです。
 つまり、24G#にf0を持つU3タイプの響板ボディーは36G#・43D#・48G#が良く振動する特性を持っている事になります。
現象として、割り振りの中の36G#・43D#は1本弦や2本弦では変化がないのに3本目のユニゾンを合わせると微妙に音程が下がるのです。
 「自分のチューニングピンセット技術がまだまだ未熟なのか?」
そう思って精進してきた方々も多いのではないでしょうか?
 ところが実は、未熟な腕が原因ではなかったのです・・・。

その12 響板インハーモニシティー
 その微妙に下がるKey音には、たまたま『響板インハーモニシティーの影響が出てしまっていた』と考えられます。
1本や2本では下がる変化が少ないのは弦振動エネルギーが足りないからです。
3本になってパワーが増し響板振動が同期することで起こる現象なのです。
 ならばピアニッシモでそっと弾けば下がらないのか?
 そうです。下がらないのです。

 実際のピアノ演奏では強くも弱くも弾きます。
その音はハーモニーの中で主音になったり、属音、下属音になったりもするでしょう。
 つまり。U3タイプの場合は36G#・43D#はタッチの強さによって音程が微妙に変化するある意味とても表情豊かなKeyなのです。

 他のピアノもこのような特性を多かれ少なかれ持っているKeyが割り振りの中に2~3音(場合によって4~6音)存在する事になります。
これらの特性はピアノの欠点ではなくそれぞれの個体の魅力として捉えるべきでしょう。

 なぜなら、ピアニストはリハーサルでピアノと繰り返し会話を行う中で、その特性(個性)を理解尊重し、『響板インハーモニシティー』によるそれぞれの音の表情を読み取り記憶し、洗練されたタッチによって繊細かつ大胆に整えたり個性的な魅力を引き出したりする事が出来るからです。

 そしてまた、『響板インハーモニシティー』は日々調律師が作る基礎音程部分のどれかにおいても作用していたわけです。
我々調律師は、ピアノの個体差によるこの作用を考慮し修正して基礎音程(ピアノの平均律)を作ることが基本になります。

その13 平均律の割り振り数値理論
 ピアノ調律をメーカー育成所や専門学校等で学ぶ時、最近の割り振り(平均律)数値表記においては『弦インハーモニシティー』を考慮して4度や長3度のうなり数を理論値より少なめにして指導されるようになってきたようです。
 これは我々の時代より一段進歩している指導法だと思います。
 そしてそれは入門期の基準としてはそれでいいと思います。

 しかし、その先を極めていくには、一律のビート(うなり)数字表記には無理というか限界があることを感じます。
割り振りのビートを数値指定したいならば、どのメーカーの、どの時代の製作で、どのサイズのピアノなのか明記して限定利用するべきでしょう。

 そして、その上に『響板インハーモニシティー』の影響も考慮しなければならない。
ユニゾン後にピアノ本来の理想ハーモニーを目指すならば、ロングミュート使用の割り振りビート指定する場合においては、4度5度のうなりが高音側に向かってなだらかに増えるとは限らないという事が前提になります。
 これらの矛盾を少しでも回避するためか、コンサートグランドの調律時やドイツ一流メーカーでは割り振りの範囲を広げて基礎音程を作る工夫(技術指導)をされている場合も多々見受けられます。
経験からくる知恵なのかもしれません。

 幸いなことに例に挙げたU3タイプは響板にかかわるような大きな設計変更は行われていないようですから、『超絶!U3限定の割り振りビート値』とか作ってみるのは、面白いかもしれませんね。
 また、スタインウェイ社も130年近く基本的な設計変更は行われていないようです。
興味ある方は『究極!スタインウェイB-211のための割り振りビート値』等を研究してみては如何でしょうか?

 「理論から調律を学ぶなら、そして、アップライト等の小型ピアノで修業を始めるなら、最初にこれを理解して実践したかった。」と今ではつくづく思います。
 理論と現実の歩み寄りが進んでよりハイレベルでの理論が構築され、今後の技術指導に生かされて行く事を期待したいものです。
 それがそれぞれのピアノ本来のポテンシャルを引き出し、演奏者が求める表現力の幅が広がる事になると思います。

その14 響板同期と高音セクション
IMG_0449-300x225ちなみに、U3タイプの場合78Dくらいから上は、すべてのKey音と響板が同期するようになります。 
その結果として、一般的に次高音セクションより高音セクションの方がバラツキなく良く鳴っている感じがする事や、調律時に78Dくらいから上は、少し高めにとったほうがまとまりやすい理由もこのためだそうです。
小型ピアノはダンパーがなくなる辺りまで響く音と響かない音、微妙に下がる音と下がらない音が混在し、音色や音量においてもばらつきも多く、我々調律師は悩まされる傾向にあります。
比較して、大型コンサートグランドピアノの場合は『響板f0』出発点がオクターブくらい低いために、中音から次高音セクションに入るバーの前後までは悩まされる傾向にありますが、次高音セクションに入って割合すぐにすべてのKeyで響板が良く鳴る(同期する)状態にある訳です。
小型ピアノと同じ3本弦の次高音セクションが長い弦で豊かに響く中低音に負ける事なく鳴ってくれるのはより広い大きな響板特性のおかげだそうです。

ピアノ製作においては、響板特性を伝統や経験の中でどこにどのように持って行くかで個性や魅力につながっていくと思います。
これもピアノ作りの難しくも面白い側面なのかもしれません。

その15 ミネラル成分の存在意義
木漏れ日ピアノはメーカー、設計、大型、小型にかかわらず多かれ少なかれ『響板インハーモニシティー』という特性(個性)が必ず現れる訳ですから、それを理解して味付けや魅力を残しつつ修正する作業は『ピアノ調律師』の領分になるのでしょう。
それは、一般的に音量音色を整える『整音』(せいおん)という作業に総称されるわけです。
メーカーの研修等ではヴォイシング(ハンマーの針刺しや硬化剤処理)やファイリング(ハンマー整形)等の作業が主になりますが、経年変化した使用中のピアノでは、それ以外にも多くの細かい一つ一つの作業が重要になってくる訳です。
例えば、ハンマー自体の重量やシャンクとのバランス。
弦とブリッジや駒との接地状態。
弦の状態など。
もちろん、調律や整調もかなりの比重でかかわってきます。
『響板インハーモニシティー』の特性を考慮することで、我々はこの不揃いの発生原因をそれぞれ分析し原因追究した上で調律や整調作業その他の作業を微修正しながら進めていくことが醍醐味でもあり技術の見せ所でもあるのでしょう。
ピアノってとても奥が深いものだと思います。

『人生の偉大なものは一見単純である』

私の好きな言葉です。
一見単純に見える自然界の水や大気の成分もミネラルやエアロゾル等が微量に存在することで安全かつ安定しているのだと言われています。
ピアノ音楽の音色やハーモニーが世界中の多くの人々に支持され、永く愛され続けている理由の一つは、鍵盤システムや打弦構造というアクションメカニズムもさることながら、一見単純そうに思える弦振動に『弦』及び『響板』の『インハーモシティー』(不協和性)というミネラル的副産物が極微量含まれ、その構造体(駒ピンの状態;後述)によって唯一無二の異なる表情を見せるからと思えるのです。

ピアノの音は
『自然界の摂理を人類が具現化(具音化)したもの』
かもしれませんね。
ちょっと脱線しました。話をもとに戻しましょう。

その16 ロングミュートにおける割り振りの盲点
つまり、現実のピアノでは、ロングミュートで3本弦の2本をミュートし、1本弦にしていかに素晴らしく割り振り(基礎音階)が出来たとしても実際の演奏の時は3本(ユニゾン)で鳴らすので『響板インハーモニシティー』が影響し
『打鍵の強弱によってハーモニーがずれるKeyが必ず存在する』
という事です。
以前私は、ある電子楽器の専門プロフェッサー(教授)に、迂闊な質問をしたことがありました。
「最近のデジタルピアノはピアノに比べてどのくらい良いのですか?」
すると、
「君ね! 音の事を聞いているのかね? ならばデジタルピアノとピアノとを比べる事は非常にナンセンスだ!」
「まず、音源が違う。電子音もしくはサンプリング音と実際の弦振動の差だ。」  
「また、小さいスピーカーから出る音と、大きさが1.5m以上ある箱から出てくる音の比較などまったく無意味だ。」
「デジタルピアノの魅力は音量調整や持ち運びの利便性、価格や調律維持管理が必要ないなどがある中で、
我々プはデジタルピアノとピアノの長所短所を熟知して利用している。比較や等級をつける事は一切しない。」
と叱られてしまいました。
 ピアノは鍵盤のオン・オフで音が出るのではなく、鍵盤がアクションを動かしハンマーが弦を叩き、弦が共鳴し、駒を伝わって響板が振動し、その振動が鉄骨やケース(ボディ)を震わせ、それらの多様な振動が空気を震わせることで人の耳に届きます。弾き方により多種多様な音色や音量が出せるのです。
 一方、デジタルピアノはデジタルサンプリングされた音のデータの再生になるため、データ化された音の範囲内での音量、音色、音の減衰の再生となります。
 つまり、ピアノとデジタルピアノはまったく別物というわけです。

ピアノのハーモニーには表情があり、その基礎音階である割り振りのところこそ調律時の打弦が重要で、かつ、それぞれのピアノの特性を理解してユニゾン後の最終的なハーモニー感の微調整をしていかなければならない事になります。
そして、ユニゾン後のハーモニー的にも精度が上がったそれぞれのピアノの割り振りをもとに、低音部・高音部へと調律を進めていきましょう。
弦インハーモニシティーを考慮した弦設計(メンズレーション)が次元の違う美しいハーモニーを導き出してきます。

その17 ピアノは大きい方がいいの?
サンドプレイエルピアノの『響板f0』だけに焦点を当てて考えると、ピアノは大きければ大きいほど優秀ということになります。
しかし、低音と高音の音量音質バランスも重要ですし、重量や強度、置き場所の事やその他の物理的制限、いろいろな観点、要望から今それぞれのサイズが生まれてきたのだと思います。
大型小型にかかわらずピアノは完全ではありません。どこかに必ず矛盾(特性)を持っているものです。
そしてより、小型ピアノやアップライトピアノのほうが机上の理屈も通用せず、理論的な矛盾(特性)を強く多く持っている可能性が高いのは間違いないでしょう。
だからこそ、我々ピアノ調律師は家庭用小型ピアノには中途半端な理論より現物合わせの方を優先し、楽器個体それぞれの声をよく聞く必要があるという事になります。
コンサートグランドピアノの技術が、意外にも小型ピアノには通用しないことも多い訳です。

ならば、「小型ピアノは出来が悪いピアノなのか?」
決してそうではありません。小型ピアノはバランスよく作るのが難しいが故に、メーカーは苦心しながら鋭い感性で長年修正を重ね、見事なまでに一つの方向性をもって設計製作されたものも数多く存在しています。
多くの先人達の努力と感性のたまものが小型ピアノには受け継がれているのです。
そして、ご家庭にある小型ピアノこそが、本来の魅力を伝えることの出来る最前線であり、第一歩であるわけです。

その18 これまでのまとめ
ケルン大聖堂正面これまでの内容をまとめると、
形あるもの、実在のピアノには必ず固有振動等の特性が現れる事。
特性が弦設計や響板のサイズ、形状、材料等によって左右される事。
個体差がある故に調律師の修業時代、調律学校や養成所で学んだ理屈、技法のままでは限界がある事。
内在する副産物を生かしながら改良、発展してきたピアノには、ある意味人類にとっての自然界の恵とも言える魅力と感動(独特のトーンとハーモニー感)がある事。
大型より小型のほうに特性が強い出る傾向にある(クセが強いんじゃ~)。だからこそ魅力的・個性的なピアノは多く、調律師による現物合わせの技量がとても必要かつ重要な事。
となります。

ピアノにおける色々なメーカーの伝統や歴史そして個体差がある事を知ることは我々調律師にとっては必要不可欠だと思います。
古いピアノや多くのメーカーから是非学んでいただきたい。
多くのピアノファンに喜んで頂く為に、また、成長過程のお子さんに、本物のピアノから奏でられるハーモニー感や響きの喜び、恵と共に感性を育んで頂くためにも、これからの時代、調律師はピアノの個体差をしっかりと理解し、尊重した上での羅針盤と技術が、特に必要になると思います。

長い間おつきありありがとうございました。
ここで、一旦終了いたします。
後編にあたる、その19~48は2021年4月の連載予定になります。
そこでは調律における具体的な実践法もお話ししたいと思います。

後編テーマ一部
・音の本質に迫る『響きの世界』
・音とリラックス効果の世界
・教会の建築構造と音響効果
・人が感じる能力「差音」(さおん;difference tone)の正体
・教会とパイプオルガン
・平均律の響きは汚いの?
・弾む(柔らかい)調律と弾まない(硬い)調律
・ピアノは打楽器・弦楽器?
・理論の平均律とピアノの平均律(equal temperament)の微妙な違い
・ポリフォニー楽器としてのピアノ調律実践
・ピアノはだれのためにあるの?

 それでは、またお会いしましょう。

       
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