ピアノが語ってくれたもの-その40
刃物研ぎ
Q.そう言えば、27年前の別科調律専修、最初の実習が「刃物研ぎ」でしたね。
A. そうなんです。当時は、いきなりだったし、「なぜ?刃物研ぎなの?便利なカッターナイフや電動工具がある時代なのに?」と不思議にも思いました。
でも、今はその深い意味が少しは理解出来ますね。
Q.技術的な部分の日本人の優秀さは世界でもトップクラスでしょうからね。
A.そうですね。現代、世界に誇れる多くの製造業のなかで精密機器は特に優秀だそうですね。その基礎には江戸の職人技としての宮大工や研ぎ師の伝統があるのかもしれませんね。日本人の美徳や生真面目さは遺伝子レベルでも脈々と受け継がれているのかもしれません。神社仏閣で遊び文化遺産に当たり前のように触れてきたこと尊さがしみじみと感じられます。
Q.その土台や伝統を基にどこに向かうかがコンセプトですね。
A. ピンポ〜ン!それがやっと問われ必要な時代になったのかもね。それだけ、産業が成熟した証拠かもしれませんね。成熟するとハードからソフトの時代になり、これから音楽的なソフト関連は、日本が世界をリードして行くそうですよ。