初代イグナーツ・プレイエルはハイドンに師事したこともある音楽家だった。
当時のフランスはエラールがレペティションを発明したり、パープがフェルトハンマーを採用したりで、ピアノ作りのメッカであった。
音楽家プレイエルはパープの工場長をヘッドハンティングして自分のイメージを優先した楽器作りを実現させようとする。
工場にはコンサートホール(サル・プレイエル)もあった。
また、「後世に伝えるべき芸術」とショパンの才能を認めパリでビューをサル・プレイエルで行った話は有名である。プレイエルのおかげで今日われわれはショパンの音楽を享受出来るのかもしれない。
イメージ優先のため弦長は長いが弦が細く柔らかいためインハーモニシティーは高くない。
理論だけでは通用しない最たる楽器だ。
1970年代にブランドはドイツに買収され、職人は当時フランス唯一のメーカー、ラモー社に移った。
その後ラモー社がプレイエルピアノブランドを買い戻し、プレイエルピアノ社として製作を再開した。
響板は比重の軽いクレモナ産を使用。明るく反応が速い。
出会いは平行弦の超豪華版貴族用モデル。このピアノは軽井沢の超高級ホテルに納品された。
その後プロバンスにあった工場に赴き製造現場の確認や日本のマーケティングに協力。
現在はパリに拠点を戻し、アップライトピアノの生産は中止し、特注グランドピアノのみを受注生産している。
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写真:プレイエル F-164
写真:プレイエル ロマンチカ
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