スタインウェイの創始者が初めて作ったピアノそれがグロトリアンである。
後に彼ら一族はニューヨークに渡るが、ブラウンシュバイクのピアノ作りはグロトリアンに引き継がれ現在も製作されている。
特にアップライトの評価は世界的にも非常に高く、日本国内でも多くの調律師が評価している。
中音部の力強さと甘い音色は聴く人弾く人をピアノ音楽の喜びへと導いてくれる。
ドイツを代表するピアノメーカー。是非一度ご試弾をお勧めしたい。
弦設計は中庸だが、若干ハイインハーモニシティーである。
次高音部分に一瞬感じる鈴の音のような響きはニューヨークスタインウェイに若干共通する。
分厚い中低音もドイツらしくシューマンやブラームスは格別かも!。
出会いは古いアップライトだったように思うがはっきり覚えていない。
その後楽器フェアーでコンサートロイヤルを弾くチャンスがあり、現地工場にも研修に行くことになる。
グロトリアンの歴史
ドイツ人初代フリードリッヒ・グロトリアンはロシアでピアノ「GROTRIAN&LANG」製作で成功を納める。
母国ドイツの叔父さんが亡くなり、財産を引き継ぐためドイツ・ブラウンシュバイクに帰国しT.シュタインベックのピアノ工場(所在地ヴォルフェンヴュッテル)に出資する。
1865年T.シュタインベックはヴィルヘルム・グロトリアンに工場の権利すべてを売却後渡米しスタインウェイの製作を行うことになる。
1872年フランクフルトの楽器店「Lichtenstein&Co.」でのクララ・シューマンとグロトリアンピアノの出会いは衝撃的で、「今日から私は弾くのはこのピアノだけ」と店主に伝えた。
事実以降彼女は演奏会にグロトリアンのみを指定することになる。
スタインウェイの兄弟とかルーツとか言われているメーカーだが、確かに1872年まではスタインウェイ社と同じ設計で製作されていたようだ。
その後独自のシンギングトーンを目指し「良い楽器を製作すればすべてうまくいく」を合言葉に現在も一貫生産を続けている。
グロトリアン ストーリー
グロトリアンに行ってきた その1
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行くぞー!!
ブラウンシュバイクに行くぞ~!
ってなわけでやってきました成田空港!
お!飛行機はルフトハンザ!世界でも最も安全な航空会社だそうで
飛びます!飛びます!!
なぜ?グロトリアンなのか?
これを話すと長~いことになるので・・・。ここでの紹介はちょっとだけにします。
約50年以上前の話だが、日本のコンサート調律技術を世界1と言われるほどに進化させ、ヨーロッパの音の本質探るべくドイツに旅立った人がいた。
その名を故「杵淵直知」大正14年生まれで父親もピアノ調律の名士として有名でピアノ業界の超サラブレッド家系の人なのである。
その杵淵さんが当時親の反対のなかで、家族も東京に残し「ヨーロッパの音」をつかむべく渡独し最初に1年以上研鑽を積んだドイツ1流メーカーがグロトリアンなのだ。
グロトリアンの歴史
初代・Friedrich GROTRIAN (ゲオルグ・フリードリッヒ・カール・グロトリアン)
1803年生まれ 1830年モスクワへ渡りピアノ専門店経営、成功を納め叔父の遺産を受け継ぐこともあってロシアから戻り1835年創業のピアノメーカーに経営参加する。
当時、家具職人であったH.E.STEINWEG(ハインリッヒ・エンゲルハート・スタインベック)と共に生産を開始する。
その後、ドイツの政治不安もあり、H.E.STEINWEG氏は1850年、長男Theodor STEINWEGをグロトリアンに残しニューヨークへ旅立ち STEINWAY&SONS(スタインウェイ)を1853年設立する。
2代目・Wilhelm GROTRIAN
先にユーヨークに渡った父からの要請を受けTheodor STEINWEG氏は1865年渡米し、スタインウェイ社を手伝うことになる。
GROTRIAN 製造年 -製造番号
1864 -510 | 1926 -52506 | 1987 -136600 |
1866 -560 | 1928 -58238 | 1988 -138290 |
1868 -898 | 1930 -61235 | 1989 -139900 |
1870 -1137 | 1932 -62268 | 1990 -113550 |
1872 -1776 | 1934 -62754 | 1991 -143300 |
1874 -2386 | 1936 -63515 | 1992 -145200 |
1876 -2964 | 1938 -64670 | 1993 -147000 |
1878 -3614 | 1940 -65499 | 1994 -149180 |
1880 -4175 | 1942 -66075 | 1995 -150280 |
1882 -4789 | 1944 -66500 | 1996 -151340 |
1884 -5376 | 1945 -66700 | 1997 -152300 |
1886 -5959 | 1949 -67250 | 1998 -153096 |
1888 -6618 | 1950 -67900 | 1999 -153829 |
1890 -7228 | 1952 -70300 | 2000 -154571 |
1892 -8015 | 1954 -73400 | 2001 -155201 |
1894 -8971 | 1956 -77227 | 2002 -155716 |
1896 -9730 | 1958 -80979 | 2003 – |
1898 -10805 | 1960 -85682 | 2004 – |
1900 -12131 | 1962 -89298 | 2005 – |
1902 -13642 | 1964 -92700 | 2006 – |
1904 -15827 | 1966 -96828 | 2007 – |
1906 -18137 | 1968 -100440 | 2008 – |
1908 -20898 | 1970 -104665 | 2009 – |
1910 -24171 | 1972 -108311 | 2010 – |
1912 -28150 | 1974 -112312 | 2011 – |
1914 -31541 | 1976 -116134 | 2012 – |
1916 -33162 | 1978 -120276 | 2013 – |
1918 -35069 | 1980 -124707 | 2014 – |
1920 -38076 | 1982 -128820 | 2015 – |
1922 -42075 | 1984 -132420 | |
1924 -47337 | 1986 -135110 |
お問合せフォーム:ピアノ・パッサージュ
ピアノパッサージュへのご意見、お問い合わせは下記メールフォームより承っております。下記フォームに必要事項を記入し、送信ボタンをクリックしてください。
※返信までしばらくお時間をいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。
※直接電話での問い合わせをご希望の場合は下記までご連絡ください。
電話:03-5225-1353 (11:00~18:30 月曜定休 祝日の場合は翌日)