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Q.1 ピアノの鍵盤の標準サイズを知りたいと思っております。-1

公開日: : 最終更新日:2019/08/15 おすすめ記事, ピアノ技術関連, ブログ, 購入Q&A

サロンでグロトリアンを演奏Q.1 お忙しいところ恐れ入りますが、ひとつ質問があり、ご連絡させていただきました。自分の研究のため、ピアノの鍵盤の標準サイズを知りたいと思っております。調律と直接関係のない件で大変申し訳ございませんが、もしご存知でしたら、教えていただけますでしょうか?
ネットでちらっと見ましたら、標準は
黒鍵:11mm×95mm
白鍵:23mm×150mm
1オクターブの幅:165mm
と書いてあるものもありましたが、これは正しいでしょうか?
別のページには、ドレミの白鍵の幅は22.5mm、ファソラシの白鍵は22.69mm と、微妙に異なるという記述もありましたが、白鍵は全て同じ幅ではないのでしょうか?
我が家のピアノで測定すると、白鍵の幅は22.5mmぐらいのように見えましたが、普通のメジャーでは、0.1mmの差を見るのは無理でした・・・
鍵盤と鍵盤の間にも1mm程度の隙間があるように思えますが、実際のピアノで見ると、隙間の幅も場所によって微妙に異なるように見えます。標準の隙間は何mmかご存知でしょうか?
ご存知の範囲でけっこうですので、お手隙の際に教えていただけますと、大変助かります。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

A.1 白鍵は同じ幅で、標準寸法は88鍵の幅:1225mm 1オクターブの幅:165mm 白鍵:23mm×150mm 黒鍵:11mm×95mmと考えて頂いていいと思います。

ただし、あくまでも標準寸法であって、特別注文制作の細幅鍵盤等を除外したとしても、実際のピアノは時代やメーカーによって微妙に差異があるようです。
私も以前鍵盤を板から作ったことはありますが、実際に鍵盤を作る場合以前は1オクターブの幅:165mmを7分割(23.57・・・mm)で製図して電動丸ノコでカットしていきます。
カットする刃の幅を約1mm(これが隣の白鍵とのクリアランスになります)とすると実測の白鍵幅は仰る通り約22.5mmになります。
かなり以前に一部国産メーカーがクリアランスをぎりぎりの0.6mm位で制作していたこともありましたが、(白鍵幅は22.9mm 88鍵の幅:1224.37・・・mm)現在は約1mmに戻っているようです。
また、以前のニューヨークスタインウェイのクリアランスは若干多めの1.2mm位のようです。(白鍵幅は約22.3mm 88鍵の幅:1223.17・・・mm)
電動工具手作業の時代と違い、現代のピアノ鍵盤はコンピューター制御の工作機械で正確に同じものが出来るようになりました。

それから、標準の隙間(クラアランス)ですが、これもご推察のとおり約1mmということになります。この間隔は使用による摩耗等によってバラツキが出ます。調律師は鍵盤下のフロントピンの微妙な傾きでなるべく均等になるように調律に伺った時に調整します。

さて、白鍵手前の部分はご理解いただけたと思いますが、問題はここからなのです。
白鍵の手前部分の長さは現在はちょっと長めの52mm(実測 白鍵:22.5mm×152mm)が主流になってきていますが、48mmや50mmもあります。
で黒鍵と黒鍵の間の白鍵部分の幅も色々あります。(太い指の方はその違いを感じやすいかも)
黒鍵上面の幅や長さテーパーの角度(前から見た台形の形)も微妙に違います。

これらの理由には時代による材料の不足や技術者の思い入れ、鍵盤の文化、当時の演奏者の要求などが考えられます。

また、過去にドレミの白鍵とファソラシの白の前部分の幅が微妙に異なる鍵盤が工作精度は別として過去に存在しないとは言い切れませんが、黒鍵と黒鍵の間の白鍵部分は確かに理論上幅が異なりますが、前部分の幅が異なることは現代のピアノではないと思われます。

我々調律師は0.02mm~0.05mmの精度で高さと深さを調整しようと試みています。
その変化をピアノは表現し人は感じるからでしょう。
ただ、別の角度から見たら黒鍵と白鍵の高さの差異は約12mmもあるんです。
多少の隙間や幅の違い、長さの違いも認識して包み込んだうえで0.02mmの違いを感じ取れる人とピアノの関係はとても素敵だと思います。

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