ピアノパッサージュ祝18周年記念試弾会 開催 C.BECHSTEIN 平行弦コンサートモデル 伝説の赤いベヒシュタイン
「60分 試弾会」 料金3000円 お支払いは当日現金になります。ご了承ください。予約制 申込先着順
試弾ご予約受付中
イベント名に「18周年記念試弾会」とご明記ください。
11~18時
11月22日(金) 12:00~ 14:00~ 16:00~
11月26日(火) 12:00~ 14:00~ 16:00~
11月27日(水) 12:00~ 14:00~ 16:00~
11月28日(木) 12:00~ 14:00~ 16:00~
11月29日(金) 12:00~ 14:00~ 16:00~
12月3日(火)12:00~ 14:00~ 16:00~
12月4日(水) 12:00~ 14:00~ 16:00~
12月5日(木) 12:00~ 14:00~ 16:00~
12月10日(火)12:00~ 14:00~ 16:00~
12月12日(木) 12:00~ 14:00~ 16:00~
12月13日(金) 12:00~ 14:00~ 16:00~
12月17日(火)12:00~ 14:00~ 16:00~
12月18日(水)12:00~ 14:00~ 16:00~
12月24日(火)12:00~ 14:00~ 16:00~
12月25日(水) 12:00~ 14:00~ 16:00~
ご試弾のピアノ C.BECHSTEIN 平行弦コンサートモデル
ベヒシュタイン 平行弦コンサートモデル
ベルリンヨハネス通り 第1工場製造
1880年製 ローズウッド艶出 88Keys 象牙黒檀仕様
1880年はベヒシュタイン第2工場がベルリン市のグリューナウアー通り38番地にオープンした年であり、ハンブルグ・スタインウェイがドイツで創業した年でもある。
ワイマールのリストハウスにあるベヒシュタインも同年の製造とされていて、ある意味ドイツピアノ製造における記念すべき年なのかもしれない。
記録によるとこのモデルシリーズは1863年から1903~4年まで製作されたようだ。
1929年まで特注生産を続けたようだから、世界にはもっと新しい個体が存在するかもしれない。
1-270 ~ 5-200 までの5シリーズ存在し、外リムとキーベットは一体型製造であり、小型の4-220(Ⅳ) 5-200(Ⅴ)はすでに交差弦方式であった。
後にそれに対し、キーベットを後付けするタイプのⅤa-200(後継モデルB-203)・Ⅵ-184(後継モデルA-184 85keys)を加え7シリーズとなる。
このシリーズの追加は、初期の目的はコストダウンだったかもしれないが、それまでのヨーロッパにおいて、アクションや鍵盤部、キーベッド及びリムも含めたピアノボディ全体を一体化させて響かせる価値観から脱却し、メカニック部分の独立性(縁切り)を意味し、その後の発展に関与するとも考えられ、演奏タッチに対する奏法の変化が起こってきたのではないかと推量できる。
音色や木の響きに関しては天才であったであろう創業者カール・ベヒシュタイン氏(当時53歳)は20年後の1900年に亡くなっているが、彼の目が黒いうちはコンサート用のモデルには平行弦から来るボディー全体の響きを守り通したかったのではないだろうか?
そして、彼が手掛けたであろうアクション部の研究はかなり進んでいて、現代をも凌駕すると感じる。
しかし、メカニックは全体のバランスも重要な訳で、多くのメーカー同様、鍵盤部及びウィッペン下部は現代の価値観とは異なり、ある意味では発展途上であったように思われる。
20世紀初頭にはヨーロッパ全体も交差弦の道を歩むことになった。
ベヒシュタインⅠ-270の後継者E-270(エンペラーモデル1902~1974年)交差弦コンサートモデルは音色と当時のハイレベルな指先のタッチ感覚を優先し、アクションを初期のヘルツ・ダブルスプリングタイプからシュアンダー・シングルスプリングタイプに、同じく鍵盤部をアブストラクトからキャプスタンに変更することを選択した。
この選択は、ウィーン式からイギリス・フランス式アクションに変更したベーゼンドルファーも同様であった。
これにより微妙な演奏タッチによる多岐にわたる音色変化が可能になったと思われる。
反面、それを弾きこなし、ベヒシュタイン最大の魅力でもある音の彩を表現するには相応のテクニックも重要になった。
その点、当時のグロトリアンやスタインウェイの2社は、早々にコンサートモデルに交差弦を採用し、共に鍵盤に対する研究が群を抜いて進んでいたように思われる。
ピアノコンチェルトが華やかなりし時代に、交差弦方式の低音駒最低音のAは響板中央に位置し、オーケストラにも存在しない超低音の絶対音量も重要なファクターだったに違いない。
交差弦による音量増大と中低音の重厚で豊かな響きを得るとともに、ヘルツタイプに合わせた鍵盤・アクション全体のシステム開発で、より多くの人に弾きやすい演奏タッチを優先した事で、大躍進したであろうこともうなづける。
徐々にウイーン式アクションも姿を消した。
現代ではベヒシュタインに限らず、ほどんどのメーカーがヘルツタイプ&キャプスタンを採用し、アクション形式は統一されつつあるようだ。
しかし、共鳴体は交差弦によって失った物もあったのではないだろうか?
ヨーロッパピアノ史320年において平行弦は200年間あるのだ。
平行弦の素晴らしい透明感と木の響き、そして、交差弦にはない独特なファゴットのような低音を感じることで楽譜に残してある作曲家の意図が再発見出来るのではないだろうか?
ハンス・フォン・ビューローは『ベヒシュタインは、ピアノにおけるストラディヴァリウスやアマティである』と語ったとされている。
彼が何歳の時かわからないが、推測するに、当時のストラディヴァリウスは製作されて約150年くらい経過していたであろう。
当然ながらそのベヒシュタインとは平行弦だったであろう。
今ここにあるベヒシュタイン平行弦の響板やボディは当時のストラディヴァリウスと同じく150年近く経過しているのだ。
そして、ストラディヴァリウスやアマティには、それに見合った弓は必須なのである。
それでは、グロトリアンやスタインウェイ社に劣らない現代の全鍵タッチ(弓)をこのベヒシュタインに身につけさせたらどうなる?
・・・やってみた。
ピアノを真摯に続けて来た方々が、
ピアノ曲を弾く方々の勇姿が、
本当にうらやましくも素敵に感じさせてくれるピアノです。
時代的にベートーベンやショパンは「平行弦」のピアノで作曲しています。
現代のピアノ「交差弦」とは一味違う音の透明感や響き。
『ピアノはオーケストラ』の言葉をより実感でき、多くのインスピレーションを感じられることと思います。
ビューローの言葉は本当なのでしょうか?
ぜひ一度ご試弾、ご検証ください。
原点回帰。現代のピアノを弾く時にも多くのヒントを与えてくれることと思います。
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ベヒシュタイン平行弦の演奏会
リストハウスのベヒシュタイン
ドイツ・ワイマールにあるリストハウスのベヒシュタインも製造年がほぼ同じの平行弦モデルと思われます。
アクションタイプはヘルツ式ダブルスプリングで、アブストラクトを装備しています。
アブストラクトとはKeyとアクション部のウィッペンを連結したタイプのことで、より一体化させて反応を良くするための工夫でもあります。
ベルリン伝説『赤いベヒシュタイン』
19世紀末ベルリンのホールでは毎夜コンサートが行われていました。
そのホールには常連客のみが知る赤いベヒシュタインがあったそうです。
滅多にない赤いベヒシュタインが舞台に鎮座していたら常連客の期待は高まったそうです。
そして出てきた演奏者は必ずその期待以上のピアニストが登場したのだそうです。
平行弦と交差弦
近年、ピリオド楽器に脚光が当たってきているようです。
グランドピアノは19世紀末から20世紀初頭に交差弦に移行してきました。
ところが、近年、ベルギーやフランスで平行弦のピアノが製作され始めています。
なぜ平行弦が見直されつつあるのでしょうか?
そこで交差源と平行弦のそれぞれの長所を考えました。
交差弦の長所
小型のピアノでも中低音部の弦長をより長く設計できる
低音駒の位置を響板左端から中央に移行することでより豊かな響きを得る
中音弦の上に低音弦が重なるように隣接することで豊かな共鳴を得る
時代はピアノコンチェルトが脚光を浴びていました。
オーケストラの楽器、コントラバスにもないピアノの最低音をより豊かに会場に響かせるには交差弦が有利
中音部の弦の上に大きく交差して広がる低音部巻線は視覚的にも圧巻(好みの問題?)
平行弦の長所
低音弦も中高音部と弦の高さが一定であるため、低音部のハンマーの長さも一定でアクション部の矛盾が少ない
ハンマーに角度調整による負担や寸法調整が少ない
音の透明感が非常に高く、低音部の駒の位置も大きく変化しないので中音部と低音部の音量音色のセクション変化が少ない
それぞれの弦の独立性が高いためにいろいろな楽器の音色が出せる可能性がある
視覚的にスッキリしている(好みの問題?)
シンプルに考えると音の透明感やメカニック的には平行弦のほうが有利で響きの膨らみや音量的には交差弦が有利と考えられます。
小型サイズのグランドピアノやアップライトには交差弦の設計が有利でしょう。
交差弦はピアノをコンパクトにするための知恵とも考えられます。
しかし、コンサートモデルのサイズになれば弦長も長く設計出来ます。
平行弦でピアノ曲を弾くことは温故知新、魅力の再発見やヒントにつながるかもしれません。
モーツァルトやベートーベン、ショパンも平行弦で作曲したのですから・・・。