ピアノが語ってくれたもの-その20
フランスの「パープ」さんは天才?
Q.ミュンヘンの楽器博物館にパープ製の縦型ピアノが展示してあるそうですね。
A. そうですね。パープはフランスの天才肌のピアノ制作者だったようです。残念ですが、一代限りで製作をやめているようです。
彼の存在で現代のピアノに大きく関わっているところは
1・低音部と中高音部の交差弦の開発(縦型ピアノのコンパクト化に貢献)
2・ソステヌート機構の発案(現代グランドピアノ3本ペダルの真中の機構)
3・初代 イグナーツ・プレイエルが大々的にピアノ製作をはじめる時パープ社の制作者をヘッドハンティングしています。
4・ベヒシュタインが修業時代ピアノ製造技術をパープから学んでいる。
それと先ほど述べたハンマーヘッドにフェルトを採用したことでしょう。
この時代のフランスがピアノ製作や発展及び世界への普及にいかに貢献したかは多くの書籍で調べることが出来ますね。
Q.フランス史の権威の方が以前「ヨーロッパの文化的な作品はイタリア人が発明し、フランス人が世界に広め、ドイツ人が作る。」とおっしゃっていたことを思い出しますが。
A.そうですね。ピアノがまさしくあてはまります。イタリアのオリジナリティーは立派なものですし、フランスのソフトへのこだわりは凄いですね。もちろんドイツは頑固でしっかりしたコンセプトを持ち、ものづくりがうまい。