プレイエルについて教えて下さい。


Q1・プレイエルについて教えて下さい。既に生産が中止となっていますが、中古品を購入し修理する場合は、純正部品は使えず、他メーカーの部品を使用することになるのでしょうか?
その場合、プレイエルの特徴的な音が失われてしまうのでは、と気になります。
その辺り、実際のところをご教示下さい。

A1・あなたにとってプレイエルは芸術品でしょうか?
例えば、ヴァイオリンのストラドヴァリやアマティに修理のための純正部品はありますでしょうか?

本来、プレイエルを含む多くのヨーロッパピアノには、車のような工業製品に使用される純正部品という概念は基本的に存在しませんでした。

ピアノメーカーは部品メーカー例えば、レンナーやアーベル、ロイヤルジョージ、今出川、クルーゲ、サイトウ、デリグニット、ビーネ、レスロー、ヤーン、トキワ、ワタナベなどに希望の基準で発注しています。

時代や演奏者の要求に合わせて、より良い音とタッチを探求するために、度々モデルチェンジを行なってきました。

実は、ピアノ部品の純正という概念に関してはヤマハ(日本楽器;当時)が始めたことだと思われます。
ヤマハや近年のベヒシュタインはアクション部品の一部を自社生産しています。
これらのメーカー専用部品を純正と言うならば、そうかもしれません。

現在、 純正部品こだわっているメーカーは1980年以降のヤマハと2000年くらいからのスタインウェイ、近年のベーゼンドルファー位でしょう。

これは新品を取り扱うメーカーや系列店の主張でもあると思われます。
メルセデス認定中古車のようなものでしょう。

さて、修理の実際では、輸入ピアノに限らず国産ピアノでもせっかく修理したのに元々の繊細な響きが失われた話を比較的多く耳にします。

特に、数十年経過して鳴りのよくなっている本体に対して現在新品に取り付けられている部品が必ずマッチするとは限らない場合もあります。
経験豊かな輸入ピアノの修理専門家に言わせるとピアノの個性や方向性、音色やタッチ、バランスを考えて各部品を選択するそうです。
そして、その個体に合った部品メーカー(例えばレンナーやアーベル等)に特注します。

プレイエルも時代により大きく変化しているメーカーです。
お持ちのプレイエルのタイプや製造年で大体の想像はできますが、実際にピアノを見てみないと何とも言えないのが現状です。

つまり、修理の際に上記の3メーカーにおいて、純正部品と交換しても年代によってはバランスが悪くなる可能性もございます。
ご質問のプレイエルに関しては純正にこだわる必要は全くなく、その個体を理解して修理できるピアノ修復職人を選ぶことが最善かつ最重要ということになります。

ご相談頂ければご紹介いたします。

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