ベヒシュタイン整音研修会 アルブレヒト講師 CBJ八王子 2019.5.28

ホフマンピアノ展示中

ベヒシュタイン整音研修会 アルブレヒト講師 CBJ八王子 2019.5.28

まずは、レンツさんのヨーロッパにおけるピアノ市場の動向やベヒシュタイン、ホフマンの工場の説明から始まった。

技術的背景

DSC_0661その後、加藤社長の通訳の元、ベヒシュタイン自社ハンマー制作の説明が行われた。
thumbnail_IMG_2272自社ハンマーを制作する経緯について、決してコストダウンの為や、ハンマー専門メーカーの品質が悪いわけではないそうだ。
ハンマー専門メーカーはそれぞれのメーカーからの注文を受け作成してくれるわけだが、多くのピアノメーカーから平行に受注していて、どうしても時間がかかる。
それから取り付けて試作ハンマーの結果を確認するとどうしてもタイムラグが多いとのことであった。
また、ウッド材もピアノの個性に合わせて変えているとこの事だった。
白カエデとマホガニーそして、ウォルナットが使用されているそうだが、道管の太さや繊維の長さが異なり、それぞれの特性にあったピアノに使用されるそうだ
thumbnail_IMG_2270ハンマー交換を行った方なら経験することだが、新しいハンマーは最高音部と最低音部4~5本は硬化剤が必要な場合がある。つまりフェルト硬度がたりないことが多いのだ。
また、逆に中音部からミドルエンドあたりの硬度は高すぎて多く針を入れる必要が往々にしてあった。
そこでベヒシュタインは白フェルトの密度や形状を変え、アンダーフェルトの品質形状を探求し、ハンマーウッドにおいては幅・長さを絶妙に変化させて、ホットプレスでは表面が固くなるので、コールドプレスによりベヒシュタインピアノに合った音質音量バランスの取れたハンマーを制作しているそうだ。
ピアノ本体特性に合ったハンマーの硬度分布により、従来のような場所によって極端な量の針入れをする必要がなくなり、一部のフェルトに負担をかけることはなくなったそうだ。
最終的にはハンマー重量もとても重要で、ピアノとのマッチングテストも繰り返いし行われたようだ。(コンサートグランドに最も小型のハンマーを取り付けてみたり、これが意外にも期待以上に可能性があったそうだ。)
フェルトメーカーはヴォルツェン社製。
白いフェルトの中にマークの為の線がある。
1~3本までの種類があり、品質、密度を表しているそうだ。
(これ、以前ミレニアムのハンマーに付いていたので、マイスターヤマウチに期待を込めて質問したところ、「ただのマークですよ。」に「あ!そーなの。」とがっくりした覚えがある。)
この試行錯誤の結果、かなり自信が持てるハンマーが出来てきたとアルブレヒトさんも喜んでいた。
DSCN3550それでは実際にやってみよう。「うまいですねぇ。ぜひ、またザイフェナースドルフへきてください。」(笑い)
DSCN3558ドイツで受けた研修を思い出し点と点がつながってより、整音のイメージが理解できたようだ。
硬化剤はなるべく使用しないが、必要な場合もあり、以前のサンディングシーラーとアセトンから現在はコロジオンとジエチルエーテルを、7:3で割って使用しているそうだ。

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