マリア・レットベリロシア文学教授と数学教授の両親を持つ1970年生まれのピアニスト。7歳の頃には、ピアノは彼女の人生の一部となっていました。ベートーベンのピアノ協奏曲2番で公の舞台に立った時、彼女は9歳でした。5か国語を操るレットベリは早くから才能を開花させ、ラトビアの音楽学校からサンクトペテルブルグ音楽院に進学しました。そして卒業するころにはピアニストとしての個性と完璧なるテクニックを自分のものとしました。
卒業試験コンサートの後、彼女はピアニストの競争社会に身を置くことをしませんでした。競争社会で腕を磨く代わりに、ヘルシンキのシベリウス音楽院で更なる強化過程、マスタークラスを受講し、レパートリーを広げ、音楽的興味の範囲を広げていきました。彼女はタティアナ・ザガロフスカヤ、アンドレイ・ガヴリーロフ、パウル・バドゥラ=スコダ、メナヘム・プレスラー、エマニュエル・クラソフスキー、ローランド・ペンティネン、マッティ・ラエカッリオら錚々たる教授からの指導を受けました。
2007年秋、リサイタル(オーケストラ、室内楽)や多数のラジオ、テレビ出演をこなしつつ、スクリャービンピアノ作品集の録音に挑みました。
マリア・レットベリはスクリャービンピアノ作品集やコンサート、公開収録ラジオの出演などで、ドイツ国内でも知られる存在となりました。スクリャービン録音で経た音楽の探求とポジティブな体験は、更にこのスクリャービンプロジェクトを加速させます。
2012、エスドゥーアレコードよりスクリャービン初期作品集をリリース。この作品でマリア・レットベリは、スクリャービンお気に入りのピアノ、色彩感豊かで美しい歌声のような音色をもつベヒシュタインを使用しました。