ベヒシュタインが自社工場にてハンマーヘッドの製作を開始  記者:カーステン デューラー -2 輸入ピアノ BECHSTEIN

ホフマンピアノ展示中

ベヒシュタインその音色の美しさ

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―ベヒシュタインハンマーの特徴について、ケーニッヒ氏は次のように語っている。

■マティアス・ケーニッヒ:ハンマーウッドについて、ホフマンヴィジョン・トラディションにはヨーロッパシデ、ベヒシュタインプレミアムとホフマンプロフェッショナルにはマホガニー、ベヒシュタインマイスターピースにはウォルナットを使用しています。なぜこのような差別化を図るのか?それは見た目の美しさと伝統に基づいた理由があります。

IMG_0399―しかしマティアス・クリンジング(整音責任者)とトーマス・クンペ(ハンマーヘッド開発責任者)は、硬さと加工のし易さから、マホガニーが一番良いという。

■マティアス・クリンジング:ベヒシュタイン製ハンマーは整音の針刺しがとても簡単に出来ます。整音時に力を入れる必要がなく、効率的に高い精度の整音を施すことが出来ます。ベヒシュタインブランド全てに使用する木を加工しているザイフェナースドルフの工場で、CNC mill(コンピューター自動制御装置)で削る前に、一旦適当なサイズにカットします。次に成形されたハンマーウッドの棒を、ベヒシュタインR&Dチームが設計したハンマーフェルトをカットする機械のあるホールへ移します。CNC millによってカットされたアッパーフェルトとアンダーフェルトをハンマーウッドに圧着します。フェルト類や木材はドイツ製か近郊のヨーロッパ諸国から届きます。アッパーフェルト用の白いフェルトと、新しい深い青色のアンダーフェルトはシート状で届きます。両方のハンマーフェルトはまず適当な形に切られ、ハンマーウッドに接着するために三角柱に切断されます。このフェルトが世界中のどんな気候(多湿、乾燥)にも適用出来るように、接着前にアッパーハンマーフェルトの束を気候室に入れて調整します。フェルトは演奏に耐え、尚且つ硬化しすぎないように特殊な接着剤を使用し、熱処理によって圧着されます。重量の測定は接着前に行います。
■トーマス・クンペ:(接着前に測定をするのは)全てのハンマーヘッドに十分な重さがあることを確認しておきたいからです。フェルトには目に見えない微細な穴があり、それが重さに影響します。不具合の多くはこの部分に見られます。この工程を経ることで、接着後にハンマーがプレカットされる時、弾力がはっきりと感じられるハンマーフェルトとなるのです。
■マティアス・ケーニッヒ:次は更に手間のかかる作業が待っています。余分なフェルトを払い、手作業で研磨した後、1個1個のハンマーにカットします。他者のハンマーとは対照的に、ベヒシュタイン製のハンマーにはリベットがありません。糊付けに不具合があった場合も、リベットは役に立たないことが実験により明らかになりました。ハンマーに圧力がかかった場合に、リベットがハンマーを破裂させる可能性すらあるのです。そして私たちはリベットを必要とせず、質量にも影響を与えない接着剤を見つけました。

―滞在中、アンダーフェルトが赤いものもあった。

■マティアス・ケーニッヒ:私たちはまだ生産を始めたばかりです。私たちの製品だと一目で分かる青色のフェルトは、世界に向けて船出を始めたばかりなのです。
■ステファン・フライムート:ハンマーヘッドには、容易にそれがベヒシュタイン製だと分かるロゴをレザーで焼き入れている。まだ生産を始めて間もないが、我々の未来は明るく開けているよ。

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