ベヒシュタインが自社工場にてハンマーヘッドの製作を開始 記者:カーステン デューラー -1 輸入ピアノ BECHSTEIN
公開日:
:
最終更新日:2019/08/15
おすすめ記事, ピアノ修理, ピアノ技術関連, ブログ, ベヒシュタインピアノ
―ヨーロッパのピアノメーカーはピアノ製造に必要な部品、特にアクションアッセンブリーとハンマーの製作を外部業者に委託している。しかしベヒシュタインはザクセン州ザイフェナースドルフの工場にて、ハンマーヘッドの自社製造を開始した。この自社製ハンマーヘッドが“ベヒシュタインサウンド“にどのような変化をもたらすのか、新オーナーのステファン・フライムート氏、技術最高責任者レオナルド・デュルチッチ氏、工場長マティアス・ケーニッヒ氏に話を聞いた。
■ステファン・フライムート:ベヒシュタインが独自のハンマーヘッドの開発を始めて2年以上が経過した。数々の失敗を経て、ハンマーヘッドのパーツ組み立てが如何に難しいかを実感したよ。しかし我々の目標は、未来を見据えて永続的なピアノの供給を続けることにある。この精神を念頭に置き、R&Dチームを強化し、巨額の投資をしてきた。
我々経営陣は、サプライヤーから供給されるハンマーヘッドがベヒシュタインクオリティに達していないことを常々感じていたんだ。サプライヤーに我々の意図を理解してもらうのは難しく、状況は全く改善できなかった。
■レオナルド・デュルチッチ:ヨーロッパのハンマーヘッドメーカーの製品は非常にハイレベルですが、製造過程で重要なことが欠けていました。“テストを重ねる”ということです。だから、ハンマーの取付け、整音、品質チェックを素早く行っていくために、自社の技術者に任せることにしました。
■ステファン・フライムート:私に言わせれば、ハンマーヘッドメーカーの言い分を弁護する余地は全くないね。彼らには改善する意欲がまるでなかった。我々は数台のピアノに新しいハンマーをセットし、整音の専門家による品質チェックを試みた。しかし、この試行錯誤に割いた時間は少し長すぎたようだ。品質に問題があった場合、それが材料あるいは作業工程なのかを特定するのは難しいが、私が求めているものは優れた品質と安定的なサービス供給、それだけだ。
■マティアス・ケーニッヒ:現在楽器は良い管理状態が保たれています。いま私たちは原料から始まり全てのプロセスを、私たちの管理下のもと改善できる状況にあります。ハンマーヘッドでいえば、音の改善のためにフェルトの質量を調整したり、原料や設計を自由に変えることが出来ます。つまりそれは、製造過程の細部にわたり私たちがコントロール出来るという事です。今後ベヒシュタインはハンマーヘッドだけでなく他の部品の細部に至るまで、自在にコントロール出来るようになるでしょう。
パッサージュメニュー
おすすめ記事
関連記事
-
-
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その18 クララ
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その18 お!出てきた出てきた!! このピアノがな
-
-
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その12
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その12 グロトリアンのルーツ。それは、ブラウンシュ
-
-
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その30
グロトリアン工場 鍵盤煙突[/caption] 近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた
-
-
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その9
近代ピアノのルーツ・グロトリアンに行ってきた その9 ここで、グロトリアンの町「ブラウンシュバイク
-
-
今回の出張の主な目的はグロトリアンの技術研修である。
グロトリアン月瀬ホール グロトリアン展示一覧 グロトリアン シンギングトーン 今回
- PREV
- ■輸入ピアノ アップライトはグランドの廉価版か? -2
- NEXT
- ベヒシュタイン 12n