■輸入ピアノ ハンマーシャンクの工夫 -3
・ベヒシュタインの場合とベーゼンドルファの場合
ピッチの高いシャンクは木の密度が高いもので、高密度の木材は高音の振動に反応します。ピッチの低いシャンクは木の密度が薄く、低密度の木材は低音の振動に反応します。
ベヒシュタインの構造は楽器にテンションを掛けて緊張状態を作っています。これは音にダイナミクスと華やかさを持たせる工夫です。そしてベヒシュタインのハンマーシャンク植え付けは、ピッチの高いシャンクを高音側に、低いシャンクを低音側に植えます。これは高音のエネルギーや輝きのある音色を助長し、低音の豊かでふくよかな音色を助長します。
ベーゼンドルファの場合、楽器はテンションのかからないリラックスした造りになっています。そうすることで中低音に厚みのある落ち着いた音色を作っています。そしてピッチの高いシャンクを低音側に、低いシャンクを高音側に植えます。楽器全体のテンションが低い為、低音側に密度の高いシャンクを配置することで、音色がぼやけてしまうのを防いでいます。
このように、シャンク一つとってもヨーロッパピアノの個性と工夫を垣間見ることが出来ます。
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「ピアノが語ってくれたもの」シリーズ1 その1~41
以下の文章は(社団法人)日本ピアノ調律師協会 会報No.117・118(2002年)に投稿された文章