月瀬ホールに調律に行った。
グロトリアンコンサートロイヤルはシフトペダルの調整ネジが本体についている。
古いものでは筬にネジが付いているものもあった。これもいちいち少しアクションを出す必要があったっけ。
他のピアノのようにキーブロックに取り付ければ楽なのにと思う。
近年のベヒシュタインは6角ボルトだから、何も外すことなく鍵盤側からレンチさえあれば、ピアニストでも好みに調整できる利点がある。
そういえば、NYスタインウェイもいまだに本体に取り付けられているそうだ。
しかもネジ形式。
となるとアクションをいちいち出して横から回して調整するしかない。
元祖グロトリアンの方が進化しているのかとも思えるが、ある意味、ハンマー間隔、弦からの左右の位置決めが独特なNYスタインウェイのこだわりが残っているのかもしれないね。
低音2本弦は2本のまま、中高音は3→2本と確実に外して調整するNYスタインウェイのシフト量は基本的にいじらないでほしいのだろう。
もう一つの可能性としては、シフトはペダルの踏み方によってはかなりのパワーが筬にかかるはずだ。
ベッティングスクリューなど、とても繊細に調整された筬を移動する力点と止める点をなるべく図心に近いところにもっていきたかったのかもしれない。
ところで、グロトリアンば、キー押さえレールについては出荷時、移動時にのみ必要と考えているようで、ピアノ本体の一部とは考えていないようだ。
ほとんどの納品後のグロトリアンはレールが外されている。
実際、弾くときには鍵蓋が押さえてくれるし、蓋のネジも付いて固定しているので上下することはない。
調整の初めにいちいちレールを外さないでいい利点はあるが、大体レールは紛失していることが多かった。
まあ、もし、移動する場合は別の方法で固定するからいいんだけどね。