■ヨーロッパピアノ 音色の方向性について -3
・ヨーロッパピアノの音色の方向性を分類してみる(鮮明な透明感=ベヒシュタイン編)
ベヒシュタインの音色の方向性と言えばクリアで繊細な音色。これはベルリンフィル初代指揮者のビュローやリストといった音楽家との交流によってもたらされた音色の方向性ですが、実はフォルテピアノやチェンバロなどの古楽器にも相通じる方向性です。鍵盤楽器はどちらかと言えば元々音の分離感に優れ、声部の多層構造を持ったピアノ曲を表現するには比較的やりやすい楽器でした。ベヒシュタインはその響きを現代のモダンピアノという音場で実現している、とも言えます。この響きは重厚でエネルギッシュなスタインウェイとは対照的な響きで、鮮明な音の分離感は各声部の独立性を保ったまま、お互いの声部が対話するような感覚を覚えます。スタインウェイは全ての音が塊となって飛んでいくのに対し、ベヒシュタインは音毎のキャラクターが維持されたまま飛んでいくイメージです。
ヨーロッパには沢山のピアノメーカーがありますが、この分類を抑えながらピアノを選んでみると、ご自身の好みもはっきりしてくるかもしれません。
パッサージュメニュー
おすすめ記事
関連記事
-
-
赤レンガのベヒシュタイン工場 その5
ベヒシュタイン その音色の美しさ 赤レンガのベヒシュタイン工場 その5 ベルリンとい
-
-
ベヒシュタインピアノ工場 ザイフェナースドルフ編 輸入ピアノBECHSTEIN
ベヒシュタインその音色の美しさ ベヒシュタインピアノベルリン Wir sind Be
-
-
ベヒシュタイン クラシック118 輸入ピアノ BECHSTEIN
ベヒシュタインその音色の美しさ ベヒシュタイン クラシック118 輸入ピアノに興味をもた
-
-
赤レンガのベヒシュタイン工場 その2
ベヒシュタインその音色の美しさ 出荷調整のマイスターの部屋から外をのぞいたら、また、ベ
-
-
ベヒシュタインの納入調律に行った。
ベヒシュタインの納入調律に行った。 思い切って購入してよかったそうです。 毎日2時間以上楽しんで
- PREV
- 赤レンガのベヒシュタイン工場 その16
- NEXT
- 赤レンガのベヒシュタイン工場 その14