■輸入ピアノと国産ピアノの違いと特徴 -5

steinway・ヨーロッパピアノ、ピアノに対する考え方
ヨーロッパピアノメーカーにとって最も重要な事は音色と響きのコンセプトを継承し、他では味わえない唯一無二の愉しみを演奏者に味わってもらうことが何よりも優先されます。メーカーの持つ独自の音色と響きは、西洋音楽史を彩る大音楽家たちとの交流、意見交換によって生み出された歴史的な芸術品。天日干しによる木材や鉄骨の自然乾燥、にかわによる接着、メーカーごとに違う弦設計や木材の選定、、、それらはトラブルを防ぐことを前提に選ばれたのではなく、響きと音色のコンセプト達成のために選ばれています。ピアノ愛好家にとってピアノを弾くことが楽しいことであるのは当然の事ですが、ヨーロッパピアノは演奏者の喜びを極限まで高めてくれます。並外れたダイナミックレンジと多彩な音色、鍵盤を通じて指先に伝わる音振動、マホガニーやヨーロッパスプルースなど木材の香り、品格のある外観、そしてピアノの本場という歴史を背負っている風格・・・五感全てにピアノ演奏の愉しみを訴えかけてくるピアノ作りがなされているのです。
年月を掛けて環境に馴染んでゆく過程には、確かに大変な面もありますが、その分愛着も大きなものになり、モノを大切に使っていこうという優しい気持ちも芽生えてきます。キチンとした管理とメンテナンスがあればヨーロッパピアノは100年持ち、世代と世代を繋ぐ架け橋にもなるのです。

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