ピアノが語ってくれたものシリーズ ピアノの響板特性とハーモニー調律 その7
測定結果からの所見
あくまでも個人的な感覚なので参考程度にお考え下さると幸いです。
1 同機種でも経年変化、木材の乾燥度合いによってどの程度変化があるのか?
4台のスタインウェイB-211 GPNo.10~13と3台のヤマハC3タイプNo.33~35で検証出来ました。
共に球面状クラウン響板ですが、経年変化でf0は変化しないようです。
シリンダー状は個体差の方が激しく検証できませんでした。
2 同機種でも外装木材・艶消し艶出し、塗装剤によってどの程度影響があるのか?
データ不足ですが、オープンポア塗装が少し低いようでした。
ポリエステル系はほとんど変わらないことは分かりました。
3 同サイズで響板形状(シリンダー状・球面状)によってどの程度違いがあるのか?
No.15~16ブリュートナー・ペトロフNo.22~25グロトリアン・ベーゼンドルファー・ベヒシュタインで検証出来ました。シリンダー状より球面状のほうがコンサートモデルを除きf0は低い傾向にありました。
グロトリアンの響板形状は球面状だと思っていましたが、データによるとシリンダー状であると推察出来ました。
4 メーカーの違いとサイズの微量な違いはどちらが影響大なのか?
メーカーの違いによる響板形状や比重等の違いのほうが大きいようで、データ不足で検証できませんでした。
5 1つのKey音の場合と2音以上に分散した場合どちらが魅力的なのか?
結果はどちらともいえませんでした。
個性は長所にもあり短所にもなるし、魅力も人それぞれ。
テーマを間違えました。
メーカーも苦労しているところなのだろうと感じました。
6 白鍵が多いのか?黒鍵が多いのか?
超小型GP 白鍵が多い
160㎝前後 黒鍵が多い
170㎝前後 白鍵が多い
180㎝前後 黒鍵が多い
190㎝前後 白鍵が多い
210㎝前後 黒鍵が多い
220㎝以上 どちらとも言えない
7 側板も響板材で製作するウィーン式モデルは特に違いがあるのか?
データ不足でした。響板形状からの影響もあるのでしょう。高く出る傾向が見受けられました。