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グロトリアン 200 1925年製 調整中! 復活するんじゃないか?アブストラクト!

今年はグロトリアンを生涯愛したクララ・シューマンの生誕200年
その年にタイプ200のグランドピアノ入荷しました。

グロトリアン 200 1925年製 調整中!
thumbnail_IMG_2170ピン板もしっかりしている
thumbnail_IMG_2168非常にシンプルだがカポダストロバーは採用している。
Steinweg一族の流れをくむメーカーにもかかわらずスタインウェイとは対照的にDuprexは一切使用せず徹底的に̪止音して響板の響き(ささやき)を重視している。
ウィーンやパリの万博でスタインウェイが快進撃を続けていた後のはずなのに・・・
thumbnail_IMG_2167中音部はアグラフを使用し、49Aのインハーモニシティーは0.55セント。テンションはちょいと高めの1本あたり約80㎏。現行モデル208もほぼ同じだ。スタンウェイの0.65セント約70㎏と比べると明らかにキャラクターが異なる。
thumbnail_IMG_2169フレーム(鉄骨)は非常に軽量でシンプル、グロトリアンが響板のささやきを重要視していることがうかがえる。この響板から生まれるシンギングトーンが他に類を見ない感動を与え、出会ったクララ・シューマンを感動させるに至ったのだろうか。
グロトリアンの響板は制作時に独特な比重測定のこだわりと温度湿度管理、そしてクラウン構造が施されているそうだ。
thumbnail_IMG_2171これがアブストラクトと呼ばれるウイッペンと鍵を連結する部分。
正直、ベヒシュタイン以外でグランドピアノのアブストラクトを初めて確認した。
と思っていたら、木製ではないが、細い四角の真鍮製で直結システムをエラールで見た記憶がよみがえってきた。

ベヒシュタインの機種変更記録を参考にすると1929年くらいで製作を中止しているようだからグロトリアンも同時期まで作っていたのかもしれない。

問題はなぜやめたのか?だ。

例えば1890年頃のブリュートナーは、キャプスタンだった。スタインウェイもいわゆるキッチンピアノは別として(確かウィーン式アクションだったはずだからウィッペン部分は存在しない)おそらくニューヨークではキャプスタンから出発しているだろう。

アブストラクトは北部ドイツの発声からくる音色の好みと超絶技巧ピアニストの要求に応えるべく産まれたのかもしれない。この辺、詳しい方がいれば教えてほしいものだ。
thumbnail_IMG_2174さてさて、その上に、見えにくいだろうがアブストラクト奥のウイッペン下部にはご丁寧に、ハンマーの重量に応じた調整のためのスプリングまである。
通常ウイッペンスプリングはフレンジ部分についているのだが・・・

この辺も詳しくはわからないが変化前の姿なのだろうか?
thumbnail_IMG_2164アブストラクトの調整。
技術者泣かせだが、今回いろいろと発見があった。

まず、前後のネジで位置決めをするわけだからキャプスタンと違い調整後の安定感抜群。
微調整の結果が鍵の設計とも相まって直に音とタッチにみごとに反映する。

このアクションを調整していたならば、整調の意義を肌で感じながら作業できたに違いない。
基準寸法のその先にあるもの。音楽との連携。このアクションシステムは多くの優秀な技術者を育てたことだろう。

なにせ、直結しているから連打の反応、戻り、軽快さ全て優れている!!
また、鍵盤のテコの比率も明らかに違う。戻りが良い分バランスピンより手前側が長く設計できる。
これは何を意味するか?

フルコンサイズの鍵の長さならこの問題は解決できるのだろうが、ミドルサイズ以下のピアノを弾く方なら感じる黒鍵と白鍵の差異を少なくできる。
通常のグランドとアップライトでの違い位、差が出せる。

そして、音はグロトリアンの響板のささやきともマッチして伸びのあるハーモニー・・・

それではなぜ?
なぜ?作るのやめちゃったの???

推測すると・・・
なにせコスト高、量産に向かない?
1920~30年頃は第一次ピアノ製造のピーク時。グロトリアンもベヒシュタインも年産3000台くらいだっけ?
工場内に鉄道が敷かれるほどの繁盛記だった。

推考すると・・・
演奏が超絶技巧+音色から超絶技巧+パワーに変化した?
質量が大きい真鍮や鉄のキャプスタンでウイッペン下部のクロスを急激に押し上げることにより生まれるクロスの反発力によるパワー感が好まれたのかもしれない。

推察すると・・・
メンテナンスが大変?
鍵盤とアクションが連結しているため外すときは88個のジョイントを外すことになる。これとても大変。ハンマーストローク調整も一見めんどくさそう。

となった。
thumbnail_IMG_2175さて、

1 コスト重視の課題
令和に入った現在。
1980年頃の日本での第二次ピアノ製造のピークもおわり、デジタルピアノも出現。ピアノの2極化が言われている現在。
フランスでは並行弦が復活したり、オーストラリアで88Keys以上の特別なピアノが出現してきた現在。
極めたければ少々高くてもいいんじゃないかな。

2 パワー重視の課題
パワーとスピードも感動するけど、優しい音や悲しい音ハッピーな音からメロウな音、いろいろ聴かせてくれる演奏もいい。大きな音が必要な会場だけがピアニストの演奏場ではないし。何よりもキャプスタンの打楽器的な爆発するような発音に対して、アブストラクトのフォルティッシモは、非常に立ち上がりが早く官能的な発音で、メゾピアノからピアニシモは非常に弦楽器的だ。多少伸び縮みする新素材・形状を考えればパワー感は解決できるかもだし。

3 メンテナンスの課題
構造もマイナスネジ調整から例えばトルクスやヘックスネジを使うとか、連結部分を工夫して取り外しを容易にする知恵を絞るとか・・・

だから、だから、もしかしたら、

日本で再評価され、復活するんじゃないか?アブストラクト!

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