コンサートチューニング

コンサートチューニング

一般的にコンサートピアノはそれぞれのメーカーのコンセプトが設計に最も反映できるものだろう。
メンズレーション(弦設計)に物理的制限が少ないのもその理由の一つだ。

さて、ここのところ年末に向けてコンサートや発表会の調律が多い。

ピアノパッサージュ株式会社一般的に多くのホールでお目にかかるハンブルグスタインウェイD274

この楽器の特徴はフレームを梵鐘のように鳴らし、次高音部をいかに歌わせるかにポイントを絞ってデフォルメすることを前提に設計されていると思われる。
そのシステムのベクトルの素晴らしさを述べるときりがないのでここではやらないことにするが、リムの構造や、サウンドベルシステム。響板の形状と長短駒の一体化などなど多くがそのポイントに向かって見事に設計されているようだ。
テンションは非常に低い設計だが、次高音部分のテンションはさらに低く設計されている。

これは、音量増大を図っていたピアノ制作発達過程の設計思想からはまさしく逆転の発想で当時多くの制作者を驚かせたことだろう。
低いテンションは結果として打鍵の強弱によって音程の微妙な変化を期待できる。
この基本設計から来る音程の微妙な変化が楽器表現力となり、次高音へ集約され強調された音量と響きがスタインウェイの魅力となっているのは間違いない。

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