20世紀初頭のベヒシュタイン&スタインウェイ その8 アグラフとカポ
音の分離と透明感が魅力の総アグラフはベヒシュタインの代名詞
1880年ころまでは高音部も中音部と同じ型のアグラフだったようだが、その後高音部のみ大きめのアグラフが取り付けられるようになっている。
これは鍵盤が85から88になり最高音がラからドになった。理想的な打弦点を出すため、より弦の端を打つ必要が出てきて通常のアグラフではハンマーとフレームが干渉するため構造の違うアグラフが考えられたと思われる。それなら最高音部の3音だけもいいはずだが、アグラフを植えるフレームの穴の位置もあるし、高音セクション全部大きくしたことによりいい効果が得られたのかもしれない。
事実1989年にベルリンで質問した時高音部のアグラフに質量を増やすことで音の質と立ち上がりがよくなったという話だったし、高音部だけシャンクを細く削ってあったり、カエデ材だったりと工夫が見られた。
ハンマーが最高音までよく観察できるためレットオフやドロップ調整の確認が容易なのは利点である。
パワーの源、特許取得(Nov 30 1875)のカポダストロバーはスタインウェイの代名詞
フレーム一体で弦を押し支えているため最高音までハンマーがフレームと干渉しない。このためより大きなハンマーを高音部まで利用できることになった。
鋳鉄独特のフレームの音は力強く、当時大音量を必要とした時代に多くの人を驚かせピアノ創りのイノヴェーションとも言えたのだろう。
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