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スタインウェイ im Hambrug ピアノが語ってくれたもの-その27

blog_import_501d3c8a6aa6bピアノが語ってくれたもの-その27
仮説その1 ピアノ音のインハーモニシティーが平均律音階の普及に役立った。
Q.平均律調律法の発見はかなり以前にさかのぼるそうですが、なかなか普及しなかったそうですね。バッハ「平均率クラヴィア曲集」の楽譜では「律」字を「率」にかえて、平均律調律との混同を避けてあるようです。この時代の調律法はウェルテンパード(心地よく調律されたの意)の古典調律法で、現在でも当時の調律法についてはより具体的に研究中のようですね。
A. バッハに限らず当時の作曲家が使用した楽器のテンペラメント(調律法)は興味あるところですね。
さて、ピアノの発展史で音量の増大をもとめられ、その副産物で生まれたのが弦のインハーモニシティーです。弦設計は対数曲線を描きながら高音部に向かうに従い短くなります。当然、弦の第1部分音のインハーモニシティーはより高くなるわけですが、調律の実際は別の効果が出てきます。一般的なオクターブで調律する場合は、低音側の第2部分音と高音側の第1部分音の干渉におけるうなりをきれいにすることで行ないます。低音側の弦の太さが太いことで2音間の部分音干渉はいつも低音側がインハーモニシティーの影響をより多く受けるわけです。
Q.わかりにくいので、簡単に言って下さい。
A. 要するに、インハーモニシティーの存在は魔法のつえのようなものです。よく考えられた弦設計では平均律調律での2音間(長短3度・完全4度・完全5度等)のうなりは、理論値より少なくて解決します。弦設計により多少の違いはありますが、特に4度と5度は高音部でもビートが増えず純正に近い透明感が出てくるのです。ピタゴラスコンマに苦しんできた鍵盤楽器制作者にとって、まさしく革命的な出来事だったに違いありません。制作者の感動が伝わってくるようです。
しかしながら、100点満点の完璧なピアノは、まだまだ存在しないでしょう。ただ、存在感のある楽器は主張したい部分に焦点を当て「求める音」の個性を表現しているわけです。
Q.様々なピアノが形を持って生まれた瞬間から固有の調律カーブが存在し、その響きに素直に耳を傾ける・・・。
調律の仕事は面白くピアノとの出会いでもあるわけですね。
A. その通りです。またまた、ありがとうございます。そして、お国柄もとても重要に感じます。次回はお国柄の違いから感じる調律の響きについてヒントをお話ししましょう。

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