チェンバロとの出会い

blog_import_506c6f9d0b3b7楽器博物館に展示されピアノのルーツとして知られるチェンバロだが、ピアノの台頭とともに一時期は幻の楽器となった時代もあったようだ。それを再発見し世に送り出したのはプレイエルだそうだ。
そういえば。ベルリンの楽器博物館にはプレイエルのチェンバロも展示してあったっけなぁ。
その後ドイツのピアノメーカー(当時:現在はチェンバロメーカー)ノイペルトがチェンバロ製作にエネルギーを注いだようだ。
そういえば、ノイペルト氏の話を思い出した。彼によれば初代から2代目のころにピアノを売れば下取り品として多くの古いチェンバロが集まってきた。
通常はその古い時代の楽器を焼却処分していたそうだ。
ノイペルト氏はいいものもあるので倉庫に保管して少しずつ修理していたそうである。ノイペルトはその後の時代の流れでモダンチェンバロに舵を切っていくのだが、現在はヒストリカルも手掛けている。
多くの方々の思いと努力で今日ではチェンバロも演奏会やCDも多く見受けられるようになった。
チェンバロは育まれた時代と地域が異なり材質および構造体内部や形状にそれぞれ特徴を備えている。
大きくは発達時期でヒストリカル・チェンバロとモダン・チェンバロに分類され、形状ではスピネット・一段チェンバロ・二段チェンバロ・バージナルに分類される。
発達地域ではイタリアン・フレミッシュ・フレンチ・ジャーマンと4分類される事が多い。
また、南ドイツ・ウィーンを中心にチェンバロとは異なる発音機構の有鍵盤楽器、クラヴィコードが重用され、その地域の楽曲やピアノ発展史に大きく影響を与えているようだ。
弦は細くテンションも低いためインハーモニシティーはほとんど存在しない。
当社はピアノの個性や特徴をより敏感に受け止める感性を学ぶチャンスとしてもチェンバロメンテナンスを非常に重要視している。
嬉しい事に日本にはチェンバロ製作者が多く、世界的に見ても最も盛んな国だそうだ。
日本人チェンバロファンの繊細な感性と歴史への探究心が多くの製作者を育んでいるのだろう。
出会いは国立音大でのフレンチ二段チェンバロだったと思うが、その後メンテナンス作業という意味では武蔵野音大のノイペルトのモダン・二段チェンバロであったと記憶する。
その後勉強用でトーカイ・スピネットチェンバロの中古を知人より購入し、改良研究した事もいい思い出である。
目白のギタルラで研修を受けるチャンスがあり、堀チェンバロ工房(当時)に度々伺い多くのヒントをいただいた。
その後、ドイツのザスマン工場(当時)やノイペルト工場に研修に行くこととなる。
山梨でのチェンバロコンクールにザスマンチェンバロを出品し、久保田さんはじめ多くの方々に親切にしてもらったのもいい思い出である。
繰り返しになるが古楽器は現代ヨーロッパピアノが語ってくれることに耳を傾ける姿勢を教えてくれる素晴らしいパートナーだと思う。

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