プレイエルとベヒシュタイン

プレイエル展示中

生家のショパン像

ショパン生家のショパン像

・プレイエル
 プレイエルは1757年生のイグナツ・プレイエルによって創業されたフランスのメーカー。イグナツ。プレイエルはハイドンの音楽を師事し、自身も音楽家でした。最初にプレイエルの名前を冠したピアノが作られたのが1807年。工場にはサル・プレイエルというコンサートホールがあり、ショパンのパリでの最初のコンサートはここで行われました。ショパンはその後プレイエルという楽器をこよなく愛し、彼の多くの名曲がこの楽器によって生み出されてきました。
 音は歯切れ良く分離感に優れ、細かい音のニュアンスの隅々まで感じやすいのが特徴ですが、音色はラテン系の明るい音です。ショパンの曲は憂鬱で暗いイメージのものも多く、また彼の生涯も決して明るいものではなかったですが、このプレイエルの音を生涯の伴侶としていました。人生の様々な試練や祖国を憂う気持ち、フランスでの様々な人間関係で暗く沈みがちだったショパンにとって、この明るくデリケートなニュアンスまでも表現してくれる楽器の音が、何よりも気持ちを落ち着けてくれるものだったのかもしれません。

Hanns

Hanns

・ベヒシュタイン
 ベヒシュタイン創業者カール・ベヒシュタインは、青年時代にプレイエルのドレスデン(ドイツ)工場で修業をしています。当時最先端のピアノ作りをするメーカーはイギリスやフランスのメーカーで、ベヒシュタインが創業したころのドイツでは異国のピアノが高い評価を受けていました。
 ベヒシュタインピアノを最初に評価したのはリストの一番弟子であるハンス・フォン・ビュローでした。1856年、自身の恩師であるリストのソナタロ短調を演奏したリサイタルが好評を博し、その時使用されたベヒシュタインの名はドイツ中に広まりました。
 音は一粒一粒の音の輪郭がハッキリと聞き取れる透明感に満ちた音色で、これはプレイエルで修業を積んだ成果とも言えます。プレイエルは明るい音が特徴ですが、ベヒシュタインは滑舌こそよいものの厳格さと気品に満ちています。

d95231fb9beab2c18b49c99e6614a28b-1024x768・ベヒシュタインとプレイエルの響き
 同じ曲をプレイエルとベヒシュタインで弾き比べてみると、共通点と違いが非常によく分かります。どちらも分離感の良さからポリフォニーの処理能力に優れ、フレーズの一つ一つ、音の一つ一つのデリケートなニュアンスの違いが他の音に干渉されることなく聞こえ、それが立体感のある響きとして耳に残ります。
 プレイエルの明るい音色は非常に憂鬱なショパンのメロディを弾いても、どこか弾き手の心を落ち着けてくれる暖炉のような温もりを感じます。ベヒシュタインの厳格な音は中立的で固有のキャラクターがない分、演奏者の意図がそのまま音となって体現され、弾き手の心の複雑な動きがそのまま音になって表れてくるイメージです。
 パッサージュには近日中にプレイエルのアップライトがやってきます。今では貴重になったプレイエルと、その音色の方向性を受け継ぐベヒシュタインを是非弾き比べてみてください。

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